耐力壁施工―「ちゃぶ台のある家」現場レポート04―

こんにちは、山猫百貨店一級建築士事務所の山根です。

先日のblogでは上棟の模様をお送りしました。

今日は耐震に関わる部分のレポートです。

地震や風に抵抗する耐力壁の話も簡単に織り交ぜながらレポートしていきますね。

この住宅は木造在来工法という建て方をしています。

柱や梁などで軸組をつくる工法ですね。

このままでは地震や台風のときに不安です。

なので、耐力壁と呼ばれる地震や風に抵抗する壁を設けます。

今回は筋かいと、構造用面材の両方を使用しています。

これらを既定の条件で取り付けた壁は耐力壁となります。

上の写真の「×」になっているのが筋かいです。

そしてこれが今回使った構造用面材。(ダイライトMS 厚9mm 大建工業)

構造用面材には、いろいろ種類がありますがダイライトを選んだのには理由があります。

が、これは耐震性よりも耐久性に関わる話なので別の機会にお話しますね。

僕は設計時点で基本的に、外壁には構造用面材、内部には筋かい、という風に使い分けています。

外側には断熱材(グラスウール)を施工しますが、筋かいがあると断熱材の施工がしにくくなります。

グラスウールをうまく施工できないと断熱欠損の元ですので、僕は基本、筋かいは内側のみ。

あと、筋かいってのは片筋かいと両筋かい(たすき掛け、と呼ぶこともあります)ってのがあります。

「/」や「\」のように1本だけ入ってるのが片筋かい。

「/」と「\」がどちらもあって「×」になってるのが両筋かい。

僕は筋かいを使うときは両筋かいにしています。

片筋かいは抵抗できる力の向きが違ったり、力の伝わり方が違うので結構やっかいなんです。

 

さて、耐力壁はどう地震や風に抵抗するか。

上の絵を見てください。

上側「筋かい無し」、下側「筋かい有」です。

地震や風で力が加わると…

筋かいがない場合、変形します。

限度を超えて変形すると? そうです、崩壊・倒壊です。

それを防ぐために筋かいや構造用面材を設けるんです。

この耐力壁を設けると変形しにくくなりますが、力が強いと転がろうとします。

転がってしまうと困りますね。なので、金物で固定。

こうやって耐震性、耐風性を高めます。

なんとなくイメージできますか?

↑柱と土台・梁を固定する金物。

↑柱と基礎を緊結する金物。

これはホールダウン金物といって、大きな力がかかる場所に取り付けます。

 

現場では、耐力壁も金物も全て漏れがないように大工さんが取り付けてくれました。

間違いがないか、図面通りかのチェックは現場監理者の僕の仕事です。

正面から見るとこんな感じ。

かなり家っぽくなってきましたね。

今回は耐震に関する施工のレポートでした~。

それでは、また。