まんなかにほんだなのある家

所在地 :香川県高松市
建物用途:マンション住戸
工事種別:リノベーション
延床面積:97.22㎡(29.40坪)
竣工年 :2024年
施工  :有限会社 田中建設

主な使用材料
床   :杉
内壁  :漆喰塗装・杉羽目板
天井  :AEP塗装
内窓  :樹脂製内窓

 

 高松市内に建つ中古マンションを購入する予定のクライアント様からのリノベーションの依頼。購入前に購入予定のマンションを一緒に内見し、リノベーションして新居となるまでお手伝いしました。
 地方都市ではマンションよりも戸建住宅が好まれる傾向にありますが、既存ストックの有効活用の見本となることを目指して計画しました。

 住戸のまんなかに本棚を設け、家族みんなの本をここに収納します。それぞれが本を手に取り、好きな場所で読書を楽しむことができる家です。
 新建材が好みではなく、無垢材を使ってほしいという希望を持つクライアント様。ありきたりな家よりは遊びのあるデザインを加えたい、と。
 そこで、真壁の柱の間から横架材が突き出たような本棚や、下野の軒下を模した意匠の天井、その他の床・壁・天井にも無垢材を採用して木の空間へ変身させました。テレビを掛けている壁には和室への扉と収納扉がありますが、これらの扉を閉めているときは、扉の存在はひっそりと隠れるように工夫しています。
 和室・水廻り以外は普段はほぼ区切らないワンルームに近い平面形状です。キッチンあるいは土間を挟んで各空間を構成することで、それぞれの空間が緩くつながり、緩く分かれるようにしています。
 土間を挟み、本を読んだり勉強したりするためのカウンターのある空間。ここへ行くには飛び石ならぬ飛び木を渡ります。
 10階という高さと南側に見える山の風景を生かし、座った高さからは緑豊かな景色を楽しめるようにしています。

 また、ご家族にアトピー性皮膚炎の疾患を持つ方がおり、温熱環境を重視する必要がありました。既存の吹付ウレタンの上に、断熱材を25mm付加、内窓も設置して温熱環境を向上させています。

 

改装前