どっちが湿気を通しやすいのか??【構造用合板】VS【ダイライトMS】

山猫百貨店一級建築士事務所の山根です。

前回のblog「構造用面材が耐久性に関係する?」についての補足です。

少し長いですが、この記事を読んでから今回の記事を見ていただくほうがよいと思います。

 

透湿抵抗値に大きく差があった【構造用合板】と【ダイライトMS】。

カタログ記載の値では【構造用合板】の透湿抵抗値は【ダイライトMS】の7.85倍。

透湿抵抗値は大きいほど湿気を通さないことを表します。

で、それっていったいどのぐらい違うの?

ということで、簡単な実験をしてみました。

●用意するもの

・ダイライトMS 厚9mm

・構造用合板 厚9mm

・ポット

・グラス 2ケ

・クリアファイル 2ケ

 

まず、ポットでお湯を沸かし、グラスにそれぞれ注ぎます。

そこに【ダイライトMS】、【構造用合板】を載せ、さらにクリアファイルを重ねます。

こうなりますね。

横から見るとこうなります。

より湿気を通しやすい方はクリアファイルが曇ってくると思うんです。

ただそれだけの実験です。

そして、ひたすら待ちます。

5分経ちました。

【ダイライトMS】中央が少し円形に曇り始めたような気がします。

【構造用合板】何も変わりません。

 

そしてまた、ひたすら待ちます。

30分経ちました。

【ダイライトMS】見てはっきり分かるほど曇っています。

【構造用合板】何も変わりません。

 

さらに30分待ってみました。

【ダイライトMS】グラスの口に合わせたように円形に曇っています。

【構造用合板】何も変わりません。

これは、ダイライトが湿気を通したことを示しています。

と同時に、構造用合板が湿気を通していないことを示します。

拡大して見てみましょう。

クリアファイルをなくして面材の表面を見てみましょう。

【ダイライトMS】表面に水滴がついています。(湿気が移動しました。)

【構造用合板】見たところ変わりはないです。

 

思っていたよりもはっきりと結果が出たので1時間で実験は終了させました。

いかがでしたか?

 

【ダイライトMS】のほうが優秀な結果でした。

この結果を見ると外壁の面材に【構造用合板】の使用は、僕はNGですね。

湿気を通さないと耐久性にかなり影響があります。

壁の中ですから、見えないですしね。

リフォームしようと思って壁を取ったらびっくり、カビだらけ。。。

柱が腐ってた、土台も腐ってた、…なんて嫌ですもんね。

ちなみに、【ダイライトMS】だけが湿気を通しやすい構造用面材ではありませんので、【ダイライトMS】だけを推しているわけではありません。

ただ、防腐性、防蟻性を考慮すると無機質な素材の構造用面材がいいなぁ、というのが僕の意見です。

 

せっかくつくるんだから、いい家にしたいですね。

それでは、また。