裸足で歩いて気持ちのいい、無垢の床にしたいな。
でも、これから何十年も住むんだから、
何かこぼしたりして染みになったらいやだなぁ…。
なんて思って迷っている方、いらっしゃいませんか?
今回は、簡単な実験をやってみました。
左から、杉の無垢板(無塗装)、桧の無垢板(無塗装)、複合(合板)フローリング。
今回使った複合フローリングは、合板の表面に1mmに満たないごく薄い天然木を貼って、それに膜を張るタイプのコーティング(塗装)がされたもの。
膜を張る塗装は汚れに強いです。無垢材にも使われることがあります。
が、膜を張るということは裸足で歩いたときに足が直接木に触れず、触っているのは塗装の膜、ってことですね。
なので冬場は冷たいですし、せっかくの無垢材の足触りの良さは失われてしまいます。
あと、テカります。一番右のフローリング材だけ照明の光が白く反射されてますね。
それでは、実験開始です。
まずは無塗装の2枚の無垢板の一部に、蜜蝋ワックス(上の写真に写っている円型の容器の黄色いもの)を塗ります。
少し濡れ色に変わりました。(桧はわかりずらいですが塗っています。)
「蜜蝋(みつろう)ワックス」とは、簡単に説明すると、蜂が巣をつくるときに分泌する蝋(ロウ)に椿油や菜種油や亜麻仁油etcを合わせたものです。
なので天然成分100%の安心安全なワックスです。
そこに、醤油をこぼしてみる。
こちらも天然成分100%の安心安全な醤油です。
………。
醤油をこぼして、すぐに拭き取ってみます。空拭きしてみました。
↑杉無垢板
無塗装部分はすぐに拭き取っても染みが残りました。
蜜蝋ワックスを塗ったところは拭き取ることができました。
↑桧無垢板
無塗装部分はすぐに拭き取っても若干の染みが残りました。
蜜蝋ワックスを塗ったところは拭き取ることができました。
↑複合フローリング
きれいに拭き取ることができました。
それでは次の実験。
先ほどと同じように醤油をこぼしてみます。
そして、9時間ほど放置。(23時30分~翌8時15分)
朝になったので光の当たり方が変わって写真の色合いが変わってしまいました。すみません。
無垢板の無塗装部分は醤油が染み込んでいっているのがわかりますか?
これを拭いてみます。さすがにこの状態では空拭きで拭き取れそうにないので布を濡らして拭いてみました。
↑杉無垢板
少し染み込んでいます。
若干、ワックスの塗っていないところのほうが目立ちます。
↑桧無垢板
こちらも、少し染み込んでいますね。
↑複合フローリング
さすがですね、きれいに拭き取ることができました。
ここで実験を終わってもいいのですが、
結局、無垢板は汚れやすいからだめだ!となってもらいたくないのでもう少しお付き合いください。
掃除の便利グッズ、メラミンスポンジです。スーパーでもホームセンターでも売ってます。
水をつけて、擦ってみます。
しばらく放置。乾かします。
その結果、
↑杉無垢板
醤油の染み、ほとんどわからないんじゃないでしょうか?
ワックスの塗ってあるところのほうがより目立たないです。
↑桧無垢板
こちらも醤油の染みがほとんどわからないところまで落ちました。
やはりワックスの塗ってあるところのほうが少しきれいですね。
今回試した実験は以上です。いかがでしたか?
予想通りでしたが、最も汚れにくいのはやはり膜を張るタイプの塗装がされた複合フローリングでした。
ですが、無垢床もかなり健闘したと思います。
無垢フローリングを採用する場合、床板になっても木は生き物だと思って接してあげてください。
(木だけではなく、家自体を生き物だと思って接していただきたいです。)
最後のメラミンスポンジですが、サンドペーパーで行うことももちろん可能です。
より手軽で家庭にあるものとしてメラミンスポンジを使いました。
研磨の後はワックスを再度塗ってあげてくださいね。
床に無垢材を選びたい方へ。
・保護のためにワックス等を行う。
(僕は足触りのいい蜜蝋ワックスをお薦めしています。)
・汚れたらすぐにきれいに拭く。
(蜜蝋ワックスは放置すると染み込みます。)
日々のメンテナンスはこれぐらいでOKだと思います。
1年に1回でもワックス等を塗り直してあげると一層良いです。
せっかくの家づくり、たくさん悩んでいいと思います。
その分、家を大事にしてあげてくださいね。